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深澤 優人*; 金子 政志; 中島 覚*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 329(1), p.77 - 84, 2021/07
被引用回数:1 パーセンタイル:16.35(Chemistry, Analytical)マイナーアクチノイドと希土類元素の分離メカニズム解明の一環として、クラウンエーテル型配位子のAm/Eu選択性について密度汎関数計算を用いて研究を行った。まず、異なるリングサイズを持つクラウンエーテル, 12C4, 15C5, 18C6とEuとの錯生成反応を比較した結果、18C6が最も安定に錯体を生成することが分かった。18C6によるAm/Eu選択性を見積った結果、Amに対する選択性が示され、溶媒抽出を用いた既報の研究結果と一致した。18C6の酸素ドナーを窒素及び硫黄ドナーに置換した配位子を用いて、Am/Eu選択性を予測した結果、18C6よりも高いAm選択性を示すことが期待された。化学結合解析の結果、Am-O結合と比較してAm-N及びAm-S結合の強い原子軌道間の相互作用が観測され、その高い共有結合性がクラウンエーテル型配位子によるAm/Eu選択性の起源であることが示唆された。
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(2), p.337 - 341, 2005/02
被引用回数:9 パーセンタイル:57.32(Materials Science, Multidisciplinary)Cr-ゲーサイト中のCrの配位数を決定するために、人工育成Cr-ゲーサイトに対するEXAFS解析を行った。スペクトルはフォトンファクトリー(PF)の放射光を用いて測定した。フーリエ・フィルタリングを用いて最近接原子によるEXAFS振動を抽出し、カーブフィッティングで構造パラメータを求めた。その結果、(71)個のOがCrに配位していることがわかった。このことから、耐候性鋼のCr-ゲーサイト保護性さび層の最も特徴的な保護効果は、Crに配位するOによってCr-ゲーサイト粒子に負の固定電荷がもたらされることで生じるものと説明できる。
玉田 正男
応用物理, 72(4), p.453 - 456, 2003/04
放射線グラフト重合法は既存の基材ポリマーに目的とする機能を導入することができる優れた手法である。基材ポリマーに放射線を照射して活性種を作成し、グラフト重合を行うが、その手順により、同時照射法と前照射法がある。前照射法はホモポリマーの生成が少なく、照射とグラフト重合の過程が分離できるため、工業化には有利である。金属とキレート結合する官能基を導入することにより、高い選択性有する金属捕集材を作製することが可能となる。作製した捕集材について、海水中の有用金属捕集や排水中の有害金属除去へ応用した例について記述した。
北辻 章浩; 青柳 寿夫; 吉田 善行; 木原 壮林*
Analytica Chimica Acta, 387, p.181 - 187, 1999/00
被引用回数:11 パーセンタイル:39.77(Chemistry, Analytical)ビスジフェニルフォスフォリルメタンをイオノフォアとする液膜型プルトニウム3価イオン選択性電極を開発した。同電極を開発するにあたり、3種類の多座配位フォスフィンオキサイドによるプルトニウム3価イオンの水相/ニトロベンゼン相界面での促進イオン移動反応の基礎データを、液々界面イオン移動ポーラログラフィーを用いて取得した。開発したプルトニウム3価イオン選択性電極は、最大で110~110Mの濃度領域で試料溶液中のプルトニウム3価イオン濃度に対してネルンスト応答を示した。試料溶液中に共存するU(VI),U(IV),Np(V),Pu(IV)イオンの妨害についても検討を行った。上記の結果をもとに、定電位電解還元法とISE測定を組合せた、ウラン+プルトニウム混合溶液中の全プルトニウムの定量方法を提案した。
北辻 章浩; 青柳 寿夫; 吉田 善行; 木原 壮林*
Analytical Sciences, 14, p.67 - 70, 1998/02
被引用回数:11 パーセンタイル:38.79(Chemistry, Analytical)水相/有機相界面でのUOイオンのイオン移動反応を、水溶液滴電極を用いる液々海面イオン移動ポーラログラフィーにより調べた。UOの水相から有機相へのイオン移動が、ビスジフェニルフォスフォリルメタン(BDPPM)によって促進されること、この促進イオン移動反応が非可逆な特性を示すことを明らかにした。イオン移動データに基づき調製したUOイオン選択性電極は、水溶液中のUO濃度に対し可逆なネルンスト応答を示した。このことから、UOのイオン移動反応過程は可逆であるが、水相/有機相界面でのBDPPMあるいはUO-BDPPM錯体の吸着脱着反応過程が、遅い反応であるため、ポーラログラム上に観測されるUOのイオン移動が、非可逆性を示すと考えられる。イオン移動反応に基づく、ウランの選択的電解イオン移動分離法開発の可能性についても議論した。
和田 幸男; 佛坂 裕泰*; 佐々木 聡; 冨安 博*
PNC TY8607 97-002, 158 Pages, 1997/05
本報告書は、平成4年から東京工業大学原子炉工学研究所の富安研究室と動燃事業団先端技術開発室とで継続的に進めている、光化学研究に関する平成8年度共同研究成果報告書である。本年度は昨年度に引き続き、アクチノイドおよびランタノイド元素の光化学分離および光励起量子効果利用に関する基礎研究を分担して行った。その結果、3M硝酸溶液中のPuおよびNpを光化学的に原子価調整し、TBP溶媒中に共抽出した後、選択的にNpだけを再び同じ3M硝酸溶液中に戻す、光化学逆抽出技術の原理実証に成功した。また、アクチノイドおよびランタニノイド元素の光化学的分離手段として可能性のある、これらの元素の大環状配位子錯体を用いた光励起一反応挙動実験を行った。その結果、多種類のLn3+を含む水溶液中の特定のLn3+錯体に固有な光吸収波長の光を照射することにより、そのLn3+を選択的に分離することが可能であると結論された。また、Cm3+の模擬物質として用いたEu3+に関する知見では、Eu3+と同程度の励起寿命と遥かに大きなモル吸光係数を持つCm3+に対しても適用可能であると推定された。
清水 雄一
J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1, 0(9), p.1275 - 1278, 1997/00
本論文は、XeFエキシマレーザー(351nm)からの高強度円偏光を用いる酒石酸の効率的な不斉合成について述べたものである。ラセミ酒石酸に集光した右円偏光を照射すると、L-酒石酸の濃度は照射と共に減少するが、D-酒石酸の濃度は照射によってもほとんど変化しない。このように、右円偏光を用いてD-酒石酸を選択的に濃縮できることがわかった。一方、左円偏光を用いた場合には、L-酒石酸を選択的に濃縮できることがわかった。これらの結果から、高強度の円偏光を用いると、その向きを変えるだけで酒石酸のエナンチオマーを選択的に効率よく合成できることが明らかになった。このエナンチオマー区別反応のフルエンス依存性から、XeFレーザーからの高強度の円偏光を用いる酒石酸の不斉合成反応は酒石酸のカルボキシル基の2光子吸収過程を経る脱カルボキシルのような光分解反応を通して進行することを明らかにした。
清水 雄一; 杉本 俊一*; 河西 俊一; 鈴木 伸武
Laser Chem., 17, p.97 - 108, 1997/00
過酸化水素存在下でのマレイン酸溶液の光化学反応をエキシマレーザーを用いて研究した。レーザー光の波長効果の研究から、オキシ酸の生成にはXeF光(351nm)が有利であることがわかった。XeF光による水溶液中の反応では、グリコール酸が主生成物であり、酒石酸生成の選択率は非常に小さかった。しかし、水に1,4-ジオキサンを添加すると、その選択率は急激に増大し、ジオキサン溶液中では、約80%の選択率が得られた。このように、少量の過酸化水素を含むマレイン酸の1,4-ジオキサン溶液を室温でXeFレーザー光照射すると、酒石酸が選択的に直接合成できることを見出した。一方、メタノール、N,N´-ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフラン溶液中の反応では、酒石酸の選択率は水溶液中の反応に比べてほとんど増大しなかった。これらの結果に基づいて、酒石酸の選択的生成の反応機構を考察する。
清水 雄一; 河西 俊一
Chemical Communications, 0(11), p.1333 - 1334, 1996/06
窒素飽和下でDL-酒石酸水溶液にXeFレーザー(351nm)からの集光した右回りの円偏光(フルエンス:1.6J/cm・パルス、非集光の場合に比べてエネルギーは約150倍)を照射すると、L-酒石酸の濃度は照射と共に減少するが、一方D-酒石酸の濃度はほとんど減少しない。これに対し、左回りの円偏光を照射した場合には、D-酒石酸の濃度は照射と共に減少するが、一方L-酒石酸の濃度はほとんど減少しない。なお、L-およびD-酒石酸水溶液の照射についても同様な結果が得られた。このように、XeFレーザーからの高強度の円偏光を用いることによって、酒石酸の光学活性体を効率良く合成できることが明らかになった。さらに、円偏光の向きと合成される光学活性体との間には相互関係があり、高強度の円偏光照射によってエナンチオ区別反応が起こることがわかった。
野村 和則; 根本 慎一; 小沢 正基; 岡本 文敏; 田中 康正
PNC TN8410 95-286, 20 Pages, 1995/11
新規に合成した抽出剤を含む数種の大環状化合物を用いたバッチ法によるコールド基礎試験を実施し,大環状化合物による金属イオンの抽出分離の可能性及び課題の摘出を行った。本試験では,ジシクロヘキサノー18-クラウン-6-エーテルを中心に,硝酸への適用性および金属イオン抽出特性等について段階的に調査・検討を行った。その結果,以下のことが明かとなった。・新規に合成した抽出剤はいずれも酸濃度の高い領域では抽出能を示さなかったが,酸濃度の非常に低い領域(10-4N)においてピリジル基を置換したクラウノファン化合物が,2030程度の分配比でAgを抽出した。・既存の大環状化合物では,ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルが硝酸濃度の高い領域(13N)かSrを選択的に抽出できることを確認した。このときのジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルによるSrの抽出錯体について調べたスロープ法による解析結果は,文献情報と異なるものであった。・さらに,模擬高レベル廃液を用いてジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルによるSrの抽出の選択性および共存イオンの影響について調べた結果,共存イオンに妨害されることなくSrを選択的に抽出できることがわかった。以上の結果から,大環状化合物のうちクラウン化合物に属するジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルにより,高レベル廃液からSrを分離できる可能性を有していることがわかった。このことは,硝酸環境におけるクラウン化合物の核種分離試薬としての可能性を示唆するものである。
清水 雄一; 永井 士郎
Applied Radiation and Isotopes, 41(5), p.457 - 461, 1990/00
モレキュラーシーブ5A存在下でメタンを電子線照射した時の生成物収量に及ぼす亜酸化窒素の添加効果を調べた。6mol%の亜酸化窒素を含むメタンを480Cで電子線照射すると、CおよびC炭化水素が選択的に生成するとともに、エチレンおよびプロピレンがエタンおよびプロパンよりも優先的に生成することを見出した。亜酸化窒素の添加によるメタンからのアルケン生成の増感作用は亜酸化窒素の分解によって生成したOによることがわかった。このOはメタンの放射線分解によって生成したエタンおよびプロパンのみならず、原料メタンとも反応することを見出した。また、この反応はモレキュラーシーブ5Aの細孔内で起こり、その形状選択性のためにエタンの方がプロパンよりも反応性が高いことを明らかにした。これらの結果に基づいて、反応機構を考察した。
清水 雄一; 杉本 俊一; 河西 俊一; 鈴木 伸武
Chemistry Letters, 1989, p.1539 - 1540, 1989/00
内部光源型光反応容器を用いて、メタノール-過酸化水素混合溶液に酸素通気下、25Cで低圧水銀灯からの紫外光(主に253.7nm)を照射した。生成物のガスクロマトグラフおよびイオンクロマトグラフによる分析から、主な生成物はギ酸およびギ酸メチルであり、そのほかにエチレングリコール、アセトアルデヒド、水素、二酸化炭素、一酸化炭素およびメタンなどが少量生成することがわかった。生成物のなかでギ酸の収量が最も大きく、ついでギ酸メチル、エチレングリコールの順であった。ギ酸およびギ酸メチルの収量は過酸化水素水の添加速度によって大きく影響されることがわかった。[ギ酸+ギ酸メチル]生成の選択率は99%にも達することを見出した。
木原 壮林; 吉田 善行
Talanta, 31(10A), p.789 - 797, 1984/00
液膜型ISEで発生する電位を、水相/有機相界面での目的イオンiの移動をあらわす電流走査ポーラログラムを用いて解釈した。iの複合ポーラログラムの零電流電位がISE電位に対応する。水相/有機相界面がiのイオン移動により復極した場合のみ、iにネルンスト応答した安定なISE電位が得られる。ISEの検出限界は、残余電流の最終上昇および下降により決定される。妨害イオンおよびISE中ニュートラルキャリヤーの役割について、複合ポーラログラムの零電流電位を参照して説明した。水相/有機相界面でのイオン移動についてのポーラログラフ式を用いて、ISE電位、他イオンの妨害、ニュートラルキャリヤーの効果を式化し定量的に取り扱った。
後藤 光暁*; 八巻 徹也; 越川 博; 澤田 真一; 喜多村 茜; 比嘉 充*
no journal, ,
複合荷電膜の一種であるモザイク荷電膜を用いた海水・かん水淡水化、脱塩のプロセスを実現するため、高エネルギーイオンビームにより作製したカチオン交換膜に対し、荷電密度などの膜特性を詳細に検討した。実験では、25m厚のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体膜に560MeV Xeビームを3.010あるいは1.010 ions/cmのフルエンスで照射した後、スチレンスルホン酸ナトリウムモノマーをグラフト重合した。塩化カリウム水溶液の濃度差で生じた膜電位から、固定電荷膜理論に基づきを算出した。イオンビームグラフト重合法により得られたカチオン交換膜のは最大で2.40mol/dmに達し、市販膜と比べて高い値であるとともに、イオン交換容量にそれほど依存しなかった。この結果は、高エネルギー重イオンビームの飛跡構造を反映していると考えられ、非常に興味深い。